2008年9月30日火曜日

日本

現在、帰国中です。ということで、いろんなところを見て回っているのでまとめて。

<New iPod Nano>
どの電器屋に行ってもあふれており、Podのポピュラリティはかなり上がっているものの、プレミアム感が薄れましたね。Apple Store心斎橋に行ってREDをチェックしてきました。これは、2Gと同じきれいなクリスマスレッドに戻っていて、買ってしまいそうになったのですが踏みとどまりました。というのは、なぜかこのNew Nanoはモノとして「絶対欲しい」と思わせるものがないのです。確かに前のFatに比べればいい感じだし、機能的にも魅力的だけど、いまいちデザインとしてAppleらしさみたいなものが減っている気がする(極めて個人的印象ですが)のです。多分、出発前には買ってしまうでしょうが、さっさと手放しそうな気もします。

<花盛りな低価格ラップトップ>
ASUS Eeeは中古品もかなり出回り、低価格化がさらに進んでいますね。また、工人舎のやEverexに加えてHP、DELL、MSI Wind、Acer Aspire Oneなどいろいろ選択肢が広がりましたね。魅力的に感じたのはAcerです。HPのも開いた感じがPowerBook G4 12inchを思い出させていい感じですがなんか全体的なデザインの座りの悪さみたいなものがあります。MSI Windはあまりにもつつがなくまとまりすぎている感じがします。これだけ出てくると初代のAsus Eeeは本当に安っぽく見えます。ちょっと考えたのですが、カタチとしてはこのタイプの先駆者はVAIO C1じゃないかと。これ、実は初代のを持ってました。でも本当に使いづらくて、ロクに使わずすぐ手放しました。いくら重たくてもMacのノートがいいと思いました。

<メモリ&HDDなど>
メモリの値段は半年前に比べてちょっと上がっている印象。HDDは1TBが手の出る価格になりましたね。で、狙いな感じは500GB〜640GBあたりですね。2.5inchはほとんど変化なしという感じです。SSDの方にメーカーの注力が傾いているのでしょうか。
今購入を考えているのはBuffalo Link Stationです。NASもこれだけ低価格になると手を出したくなります。

2008年9月25日木曜日

南ア:ムベキ大統領辞任


南アのANC内部の権力抗争の結果、ムベキ大統領が辞任に追いやられ、それを追って閣僚10名も大量に辞任する騒ぎになっています。
これは下手をすると、アフリカ全体の主に経済的な不安材料となる可能性があります。
というのは、南アはもちろんサハラ以南のアフリカにおいてもっとも経済的に大きな国であるということがあります。そしてムベキ政権下の経済拡大路線によって、南ア企業は急速に発展し、アフリカの広い地域にわたってその存在の重みを増しています。その最たるものが携帯キャリアのMTNでしょう。
サービスマップを見るとかなり広い地域をカバーしていることがわかります。彼らは様々な国の既存のネットワークを買い取る形で、グループを拡大していったようです。
また、フラッグシップキャリアのSouth African Airwaysも大陸内での存在を増しています。
ダカールはSAAのフライト、ニューヨーク行きの中継地点となっていることもあって、ほぼ毎日フライトがあります。私の記憶が間違いでなければ、5年ほど前には週1便ほどしかなかったので、非常に大きな違いと言えるでしょう。
こういった非常に表面的なものだけでなく、民間レベルの結び付きも深まっていると思います。
これから、南アの政治や経済がどうなっていくのか、かなり不透明感が漂います。もちろん、南アはそれこそコートジボワールのようになることはおそらくないでしょうし、政治的な混乱が国そのものを麻痺させてしまうような事態にはならないでしょう。
しかし、南アの経済的成長が一種アフリカ全体の経済成長の牽引力となっているのも事実で、それが鈍化することはアフリカ全体にとって好ましいことではありません。しかもそれが言ってみれば民族抗争的なバックグラウンドを持っているというのは、先進国から見たアフリカのビジネスパートナーとしての信頼度にもかかわってきます。
さっさと、明確な白黒をつけて南アは大丈夫だということを世界に対してアピールしてほしいものです。

2008年9月24日水曜日

初のAndroidケータイ


台湾HTC製のG1が10月末にT-Mobile(米&欧州)限定で発売されるそうです。Androidケータイを待ち続けていた私にしてはとりあえず朗報・・・なはずなのですが、これについてはなぜか首を傾げざるを得ません。
G1はAndroidを使っていますが、とにかくiPhoneに狙いを定めた商品、という気がするのです。もちろん、Androidの生態系というのはiPhoneのそれに似ています。しかし、iPhoneとAndroidの最大の違い、それはオープンかオープンでないか、という点ではないでしょうか?これはシステムそのものがオープンであるということと同時にケータイそのものがオープンでないといけないと思うわけです。しかし、T-MobileのサブスクリプションプランはiPhoneのそれにそっくりです。これではAndroidの意味はどこにあるのでしょうか?
確かに、HTC G1はiPhoneにはないフィジカルなキーボードなどをそなえ、iPhoneの機能に不満を持つ人にとっては魅力的なのかもしれません。しかし、iPhoneの「縛り」に不満を持っている言ってみれば潜在的なユーザにとってはG1は何の魅力もありません。もちろん、G1がどれだけ縛られているか、サブスクリプションなしで発売されるのか否か、またそのときの価格はいかほどになるのかは今のところまだわかりません。
なにはともあれ、Androidが商品化されるということはいいことだと思います。iPhoneによってスマートフォンの一般化がはじまり、キャリアの高速インターネット接続環境が整備されていくことによって、Androidの可能性も広がっていきます。日本においては、ケータイサイトという言ってみればインターネットの縮小版パラレルワールドを作り上げてしまったわけで、もしかしたら、フルサイズインターネットがケータイの世界に来るのに時間がかかるかもしれませんね。

2008年9月17日水曜日

Sony Ericsson Xperia


ソニーエリクソンのフラッグシップスマートフォンXperia X1はOSにWindows Mobileを採用しています。
しかし、次世代のX2については、別のOSになる可能性を示唆しました。(原文はココ
これは朗報ですね。私自身、ソニーエリクソンのケータイ(GSM)を愛用していますが、最近魅力的な新製品がなく、もう3年も買い替えていません。もちろん、iPhoneが普通にアフリカで使えるようになればiPhoneを使うと思うのですが、Jailbreakしてまで使う気がしないので次もできればソニーエリクソンのままいきたいのです。
しかしXperiaはWindows Mobileということで、即却下していました。
これがSimbianベースになるのか、AndroidベースになるのかまたはオリジナルOSになるのかはわかりませんが、Win Mobile以外なら検討する価値ありそうです。そういう人が結構多いんじゃないか?という気もします。
もともと、ソニーエリクソンの多機能ケータイはWindows Mobileを使っていませんでした。多分、Simbianを使っていたと思いますから、これの延長線上で来そうな気がするのですが、とにかく楽しみです。

2008年9月16日火曜日

情報のセキュリティ

最近ではあまり聞かなくなりましたが、一時前にはよく「個人情報を含んだ情報がWinnyで流出」という事件をよく見ました。
今は企業では個人情報パラノイアに陥ってしまって、せっかくIT化を進めていても、そのためにインターネットへの接続を一部遮断するなどの言ってみれば「本末転倒」でドラスティックな処置をとるところが増えているとも聞きます。
しかしながら、情報というものはもともと伝えるために存在するわけで、それは伝わるという特性を本来的に持っているものです。いくら閉じ込めようとしてもどこかから漏れることは一種の必然性だと言うことができるでしょう。コンピュータを悪性ウイルスとかワームから守っても、メールなどで漏れることもありますし、USBメモリースティックの使用を許していたら、元も子もありません。それを突き詰めていくと汎用のWindows PCを使ったり汎用のデータ形式にしているなんて、もってのほかなのです。もちろん、Winny等が入っているのも論外なわけですが。
しかし、その囲い込む情報は実に雑多で、別に漏れたところでなんの損害もない情報が大部分を占めていることも事実なわけです。それを丸ごと囲い込んで漏れないようにする必要など全くないのです。だから、いったい何が機密情報なのかというガイドラインを明確にして、それを関係者に周知することこそが、情報のセキュリティを守る第一歩でしょう。そして、クリティカルなほどの機密は完全にクローズドなシステムの中で運用すべきでしょう。ネットにつながったWindows PCでAccessで会計処理を行っているなどというのは論外中の論外です。また、共有を前提とした情報で機密を含むものに関しては暗号化を行うことが有効でしょう。しかし、これもそれほど神経質になる必要があるかどうか、かなり疑問です。というのは、文書を印刷してしまえば、暗号化は何の役にも立ちません。つまり、印刷して回覧とかできない類いの文書でないと暗号化する意味はありません。もちろん、暗号化も万全というわけではなく、暗号というのはたいてい破られるためにあるのです。また、安易な暗号化は例えば素人が暗号化してそのキーをなくしてしまうという事故を誘発する可能性をはらんでいます。これは情報が漏れるよりもタチの悪い事故となりかねません。
これらはハード的な防護策なわけですが、ソフト的防護策としてのヒントがiTunes 8に搭載されたGeniusにあると思います。それは「関連性のデータ」という考え方です。例えば、人名がずらっと並んでいるあるリストがあるとします。しかし、そのリストは何のリストか分からなければ、何の役にも立ちません。たとえ、人名と電話番号が並んでいるリストでも、そこに示されている関連性は単にその人名と結びつけられた電話番号というのに過ぎないのです。電話帳にもなりません。しかし、このリストに会社名が入っていたとするとちょっと様子がかわってきますし、データ作成者がその会社のどこの部署にいるのかの情報が含まれるとさらに状況は深刻化します。さらにファイル名が○○顧客リストだったり、文書のタイトルにリスト内容を示唆するものが入っていたら完全に漏れたらこまる情報になってしまいます。つまり、関係性を示すデータ(フラグ)さえ取り去ればいいわけです。最も優れた暗号、それは誰の目にも見えているのに、それが何を示しているのかほとんどの人にわからない、そういう暗号なのです。そこに何らかの関連性のデータを通してやると、それが何を意味するのかが現れる。昨日書いたダンブラウンの小説の謎解きも基本的にこのラインに沿ったものです。これの基本は「木の葉は森に隠せ」ということに尽きます。また、これは日本古来の忍者に通じるものがあります。忍者というとどうしても夜の闇にまぎれて忍び込み、暗殺したりするというイメージがありますが、それは陰忍と言って忍者のほんの一部の活動にすぎません。大部分の活動は陽忍と言われ、一般の人に溶け込んで諜報活動を行う人々だったのです。
これを考えると今行われているセキュリティ対策というものの大半が、わざわざフラグを立てて「ここに宝物が埋まっています」ということを教えた上で不完全なカギをかけて破ってくださいと誘っているようなものに見えてきます。むしろ、本当に有効なセキュリティとは機密度の低い情報に関しては一般のメールサービスを使って隠してしまう。機密性のある情報にはフラグを立てない、ということなのだと思います。

CERNのハドロン回廊始動

なんか、これを動かすとブラックホールが発生して世界が終わるというまことしやかなデマが流れ、インドではこのことから世をはかなんで自殺する少女まで出る騒ぎとなりました。
ところで、このCERNとハドロン回廊は「ダヴィンチコード」のDan Brownが書いた「天使と悪魔」に登場します。この小説は時系列的には「ダヴィンチコード」の前作にあたり、ロバートラングドンシリーズの第1作となります。これは個人的にはダヴィンチコードより面白い気がするのですが、CERNのハドロン回廊で反物質を作り固定することに成功した科学者が殺され、実験用の反物質が盗み出されるという設定になっています。そして、ルネッサンスに活躍した秘密結社「イリュミナティ」の謎を解き明かしながらの反物質探しをラングドンが行うのです。イリュミナティは実在した(しかもいくつも)団体であるとされています。また、お決まりのごとくテンプル騎士団やフリーメイソンと関係があったとされています。しかし、面白いのはイリュミナティのシンボルが「ピラミッド」そしてその上の「光り輝く目」であり、この図柄がアメリカの1ドル紙幣に印刷されている、ということです。
同じピラミッドはダヴィンチコードにおいては「男性のシンボル」であるとされ、逆のピラミッドは「カリス」つまり「聖杯」であるとされ、だから物語の最後にルーブルに実在する「逆さのピラミッド」がある場所こそが聖杯(サングラール)=マグダラのマリアが眠る場所であるとされているのです。
さて、このルーブルの逆さのピラミッドがある場所がCaroussel du Louvreと呼ばれ、フランスでのアップルストア1号店が開店する地なのです。これはもちろんあの有名なガラスのピラミッドの下にあります。ニューヨーク5番街のアップルストアの入り口はガラスのキューブなわけですが、まさかルーブルをイメージしていたとは思いつきませんでした。
話をCERNに戻しますが、実はインターネットにも非常に深い関係があります。「天使と悪魔」にも書かれていますが、WWW (World Wide Web)のプロトコルであるURLやHTML、HTTPはバーナーズ=リーによってCERNで作られたものです。インターネットそのものはアメリカの軍用コンピュータネットワークであるARPANETをもととしたものですがWWWはCERNで開発されたのです。
その際に使われたコンピュータ、そして世界初のWebサーバとなったのがSteve JobsのNeXT社が作ったNeXT Cubeです。NeXTはジョブスとともにその後、アップルに買われました。このNeXT CubeのOSであるNeXT STEPが今のMac OSXの原型(というか基本技術)になっているのです。

2008年9月15日月曜日

コートジボワール:また選挙延期?


私はコートジボワールは長期間滞在したことがないので、もしかしたら間違った認識を持っているかもしれません。間違った点があれば指摘してください。
10月に予定されていたコートジボワールの大統領選挙ですが、諸般の事情により12月に延期する可能性があるとローランバグボ大統領が声明を出しました。もう、何回目だかわからない選挙延期で、これはコートジボワールの政治的状況があまり好転していないということを示しているのでしょう。
コートジボワールはアフリカ元年と呼ばれる1960年に独立、以来フェリックス・ウフェット・ボワニ大統領の独裁政権が続きますが1993年にボワニ大統領が死去、ここからどんどん泥沼の時代に入ってしまいました。
ボワニ大統領の在任中は、豊かな農産物生産を背景に飛躍的経済成長をとげ、アビジャンは西アフリカ仏語圏の最大の中心都市となりました。
さて、ボワニ大統領の死後、コナン・ベディエが政権を握りますが、99年に軍のロベール・ゲイ参謀長によるクーデターで政権はくつがえされます。しかし、2000年には失脚、現大統領のローラン・バグボが政権を握ります。
しかし、内紛はおさまらず、2002年9月に起こった大規模な暴動の中で、前大統領のロベール・ゲイは惨殺され、車道に打ち捨てられたそのショッキングな死体映像が何度もTVで流されました。その後は、不安定と安定を繰り返しながら現在に至っていますが、もう何度も引き延ばされたバグボ政権、これ以上引き延ばすと最悪の状態を迎えそうな気もするのですが、選挙というカードを切るよりは安全という判断なのでしょうか?
国土ですが、私はアビジャン以外だとヤムスクロと中部のガニョアにしか行ったことがないのですが、とにかく緑がすごい。セネガルやニジェールのようなサヘルとは全く別の世界です。ベナンも緑豊かですが、コートジボワールはケタ違いです。また、公共インフラが非常に整備されているのも特徴。アビジャンのメインの道路は自動車専用で片側3車線もあります。
西アフリカではよくどこそこの国の人の特徴というのを冗談まじりに語ることがあるのですが、それによるとセネガル人は陽気で人なつこくおしゃべり、その反面軽薄であてにならない。コートジボワール人は人当たりが悪くてとっつきにくく、気位が高くて高圧的、一度打ち解けると信用できる・・・という感じです。
そういう国民性もあってでしょうか、セネガルは政治がすべてをコントロールしますが、コートジボワールでは経済が政治とあまり関係なく動いている気がします。これほど、政治的に混乱し、外国人が大量脱出しているにもかかわらず、アビジャンは繁栄しているのです。同じようなことがセネガルで起こったら、10年もたてばダカールは多分壊滅してしまっている気がします。ここでは、政治力でないと何も動かない。
この状況が良くもあり、また選挙の遅滞を許してしまう要因にもなっているのかもしれません。
とにかく、ポテンシャルを持つ、言ってみれば西アフリカの巨象なのですから、やはりもう少しリーダーシップを期待したいものであります。

2008年9月13日土曜日

HPが独自OS路線を模索?

BusinessWeekの記事から。
Dellが一部のマシンにUbuntuをバンドルして販売しはじめてから、もうかなりたちますが、今度はPCメーカー再大手のHPが独自OSを搭載したPC開発に踏み切るかもしれないということです。
それもこれも、Vistaの不人気のせいだそうです。今をときめくネットブックはすべてLinuxかXP、そしてDellもXPプリインストール機を売り続けるばかりか、Vistaからのダウングレードまで用意している始末です。MSは何が何でもVistaへの移行を強行したいようですが、おとなしくついていってるのは日本のメーカーだけじゃないのでしょうか?
MacがOS Xへの移行を行ったのは2000年。8年前にさかのぼります。その頃、新しいOSの開発は大変でした。Mac OSXはNeXTの遺産であるOPENSTEPの技術を使い、コアにはオープンソースのFree BSDをもとにしたDarwinを使い、他のUnix系ソフトウエアを使えるようにした上でプロプライエタリなクローズドシステムを作るそのOSの作り方は、当時としては画期的なことでした。
今はOS制作をとりまく環境は当時に比べて比較にならないほど進化しています。オープンソースだけでも実用に十分堪え、ハードメーカーがプリインストールして出荷できるUbuntuのようなディストリビューションもありますし、OSのブロック化が進み、カスタムOSを作ることは非常に簡単になっているのです。例えばgOSなんかはUbuntuをカスタマイズしただけのものなのですが、ウインドウデコレータなどを駆使してUbuntuとは少々異なるフィールを持ったOSとなっています。
この程度のものをHPが作るのはわけないことでしょう。ASUSTEKですらEee PC用にXubuntuをカスタマイズしているのですから。
また、価格の面でもオープンソースOSに移行することはメリットをもたらします。またウザったいMSロゴだのからも自由になれる上、自社でソフトの問題などをコントロールできるようになるわけです。今まではそのあたり、例えばおいしい顧客情報等も一切MSに握られていたわけですが、それを直接自社管理することが可能になるわけです。
PC市場が大幅な拡大傾向にあり、ハードメーカーがハードの生産に追いまくられるような状況では、ソフト面を全部MSに一種のアウトソーシングすることはHPにとってもおいしいことだったのかもしれません。しかし、この市場の成長が鈍化している現在ではむしろユーザをがっちり自社で握りたいというのが本音でしょう。
Linuxのウインドウデコレータの中にはWindowsに非常に似たインターフェイスを持つものがあります。例えばKDEがそうです。UbuntuのGnomeがどちらかというとMacのインターフェイスに似ているので、私などはUbuntuが馴染みやすいのですが、もとWindowsのユーザならKDEデコレータを持つKubuntuの方が馴染みやすいかもしれません。また、LinuxにはWineというWindowsのエミュレータがあり、Windowsのソフトを動かすこともできます。(すべて動くわけではありませんが、例えばこのWineを使ってUbuntuでWin用のiTunesを動かしている人もいます。)このように、HPがLinuxベースのPCを発売することにはたくさんのメリットがあるわけです。しかも、欧州などではLinuxベースのOSやOpenOffice.orgオフィススイートを標準と決める公共機関なども増えています。
これを考えると、出遅れないうちにHPがLinuxベースの自社OSを開発していても全然おかしくないと思います。

2008年9月12日金曜日

Geniusで広がる可能性


iTunes 8の目玉機能である、Genius。これはフロントエンドとしてはGenius PlaylistとGenius Sidebarという2つの機能となっていますが、私が注目するべきだと思うのはその奥に隠れている「Geniusエンジン」とも言える部分です。
これは、一言で言ってある一曲を選ぶと、それに「合う」別の楽曲を自動的に検索/表示するという検索エンジンです。
iTunesを使っている人は、その音楽ファイルそのもの(mp3等の)に曲名やアーティスト名、アルバム名、ジャンル等が「メタデータ」として含まれていることを知っています。私も最初はこのGeniusはそういうメタデータを基にして検索してくるのではないかと思っていました。
しかし、Geniusではこれらのメタデータを使っていないということです。
GeniusをOnにすると、ライブラリの曲名、アーティスト名、アルバム名という「楽曲情報」と共に、ユーザのプレイリストの曲、再生回数、レーティングといったユーザ固有の情報がGeniusサーバに送信されます。
そしてサーバサイドのGeniusアルゴリズムによって、「曲と曲の関連性を示すデータセット」が生成され、ユーザのiTunesに送信されるそうです。そして、この情報は曲のデータとは別に保管されるということです。
ということで、ちょっと探してみましたが、Musicの中のiTunesフォルダにも、ユーザのLibraryのiTunesフォルダにもGeniusを連想させるようなフォルダやファイルは見当たりませんでした。invisibleなもののようです。
さらに面白いのはこのGenius情報がまるで匿名のSNSのようなデータベースだということです。つまりGeniusユーザが増えれば増えるほどその関連性のデータは大きく広く多彩になっていくということです。
これは、iTunes Storeが各国の商慣習や著作権法の違いによって成し遂げなかった夢をメタな形で実現したもののような気がします。つまり、曲そのものでなく曲に対する思いみたいなものを集める全世界的データベース、それがGeniusなのだということです。
また、これは来るべき画像検索や動画検索にもある種のヒントを与えているのではないでしょうか?今のところこの分野では埋め込まれたメタデータの解析や画像データそのものの傾向を解析する方向性で動いていますが、Genius的な「関連性」のデータみたいなものがあればさらに面白いでしょう。
そういう意味で、Geniusはまさに「天才の卵」みたいなものなのかもしれません。
最後に、Genius SideBarについてですが、これはGeniusエンジンが拾ってきたもののうちiTunes Storeにあるものを表示する、表面的にはAmazonの「この商品を買った人はこんな商品を買っています」というおすすめ表示に似てものです。でもGeniusエンジンの存在を考えると、似て非なるものと言えるでしょう。これらのフロントエンドはまだ開発途上なのだと思います。

2008年9月11日木曜日

第二世代TouchにはBTチップが付属?


GIZMODOの記事より。
iFixitというサイトで早速発売されたばかりの第2世代iPod Touchが解体されたそうなのですが、そこにBroadcom製のBluetoothチップセットが搭載されているのを発見したそうです。
もちろんアップルの正式なスペック表にはBluetoothは搭載されていないことになっています。
これは、朗報???
と思ったのですが、MacRumorsによると、Nike+はBluetoothと同じ2.4GHz帯を使って通信しているのでそれではないかということです・・・ガッカリ。
しかも、このチップは2.1 + EDRという規格のもので、ステレオBTヘッドフォンはA2DPという規格のものが必要とのことです。
でも、将来的にSkypeとかが使えるようになるとしたら、モノラルのBTでいいわけですし、もしかしたらもしかするかもしれませんね。

UPDATE:Engadgetによると、やはりこれはNike +用のレシーバーだそうです。面白いことにこのBroadcomのチップはBluetoothだけではなくWiFi通信もできるようで、Nike +の通信方式は過去に「プロプライエタリな802.11プロトコル」とも呼ばれていたそうです。

一新されたiPodラインアップ


そして新しいiTunes 8。ついでにQTも7.5.5にアップデートされました。
まずはiPodファミリーですが、iPod Touchの低価格化は予想した通りでしたね。新価格はiPhoneの価格を考えてもいいところに落としているのではないでしょうか。またスピーカが内蔵され、YouTubeを友達と楽しむなどの使い方が広がったことも、一種iPhoneと別の進化を遂げていると評価できると思います。やはり、TouchはこれからiPhoneとの差別化を図っていかないと売れないでしょうし、将来的にはClassicに取って代わるもの、と位置づけられているのではないかと思います。そのClassicですが、これは120GBオンリーに縮小。SSDの価格がHDと同レベルになるまでは延命すると思われます。
Shuffleはカラーバリエーションの変更のみ。ところでNike+iPodってTouchに組み込まれているのですが、スポーツをするときに愛用されているのは圧倒的にShuffleだと思うんです。機能的に絶対にスクリーンがないと無理なのでしょうが、音声インターフェイスなどで、なんとかShuffleに組み込むことってできないんでしょうか?
最後に一番大きな変更があったNanoですが、デザイン的には成功していると思います。縦型のスクリーンには好き嫌いがありそうですが、Touchと同じような重力センサーでカバーフロウを楽しめるなど、遊び心にもあふれていますし、カラーバリエーションも9色と豊富で思わず欲しくなります。Podは実機を見てみないと写真だけで判断することができない物体ですが、オレンジ、イエローあたりが何となく好きです。REDは色目がNano 2GのREDで使われていた美しいクリスマスレッドなら思わず買ってしまうでしょうが、薔薇色がかったのなら新しいイエローとかに手を出してみたい気がします。価格も手頃で、やはり一番売れ筋商品となりそうです。
ということで、今回一番欲しいのはやっぱり・・・一新されたNanoです。
Fatと呼ばれた前代Nanoは本当に全然そそられないNanoだったので、特にそう思うのかもしれません。

次にiTunes 8ですが、昨日はSoftware Updateをかけても、iTunesでアップデートを探しても7.7.1が最新バージョンと言われてしまったのであきらめて今朝ダウンロードしました。アルバムビューがiPhoto 08のイベントのような感じになり、アルバム単位での再生もでき、インターフェイスとしてさらに洗練されたものになりました。また、GIZMODOなどで話題になっていたVisualizerを見てみました。この機能、昔はよく使ったものですが最近は存在すら忘れてました・・・
iTunes 8では、昔ながらのClassic Visualizerに加えて新しいVisualizer、Lathe、Jelly、Stixという違ったVisualizerがデフォルトで入っています。この新しいVisualizer、なかなか派手で面白いです。またJellyも思いっきり派手で楽しめます。
ということで、今回の新製品はどれも「遊び心」にあふれた「楽しい」ものになっているようです。

2008年9月9日火曜日

「環境」というものの難しさ


「環境」というものが、いろいろな事業を行う際に配慮するべきもの、あるいは環境配慮を目的とした事業がもてはやされるようになってからかなりたちます。しかし、環境というのは非常に漠然とした言葉であり、それがカバーする範囲はとても広い。それゆえ、どんなプロジェクトでもやろうと思えば環境に関連づけることが技術的には可能です。言うなれば、実施主体の一種の意思表示のようなものにすぎません。
20数年前、アフリカは大きな旱魃に襲われ、「砂漠化」という終末論的な言葉が一人歩きし、植林プロジェクトに多額の資金がつぎこまれました。これらのプロジェクトの遺跡はセネガルでもそこここに見ることができます。突然現れる整然と並んだユーカリの林がそうです。ユーカリはオーストラリア原産の植物で乾燥に強く成長が早いので、植林に最適とここらあたりに持ち込まれたのですが、後になって「ポンプ効果」といって、地下水をどんどん吸い上げて蒸散させてしまうということがわかり、また、葉に毒性があるので、ヤギ以外は食べないということもわかって、このような遺跡になって放置されているのです。もちろん、この時代に行われた植林プロジェクトすべてが悪いとか失敗だとかいうのではありません。中には住民の役に立ったプロジェクトも多いと思います。しかし、「環境」をメインの目的に据えた事業はそういったリスクを背負うのです。現在では「砂漠化」というのは地球規模でのサハラ砂漠の移動や、乾燥と多雨のサイクルであったというのが一般的な見解となっています。
最近の「環境」のトレンドは、言うまでもなくグリーンエネルギーでしょう。しかし、これもなんだかわけのわからない方向に進んでしまうことがあります。例えば9月3日にASER (Agence Senegalaise de l'Electrification Rurale=セネガル村落電化機構)と世銀との間で実施が決まったセネガル村落電化プロジェクトですが、内容をよく読むと、村落電化とはいっても発電施設ではなく、ただ低消費電力な蛍光灯電球を大量に調達して村落の夜に光を届ける・・・というものなのです。これが世銀のCDM (Clean Development Mechanism) つまり温室ガスを減らすというプロジェクトの一環として行われるそうです。プロジェクトの詳細はココで確認してください。
確かに蛍光灯電球は消費電力が白熱球の1/6ほどでCO2削減には貢献するのですが、それだけ大量に入れてしまえば消費電力の総量が減るとも思いませんし、事業主体のSENELECは電力を売る商売をしているのです。しかも、SENELECの発電施設は最もCO2効率の良くないディーゼル発電機なのです。せっかく、こういう資金があるのならなぜもっとクリーンな発電施設につぎこむことができないのでしょう?
小さな村なら、風力発電機1基でも、必要電力(電球くらいなら)をまかなうことができるはずです。また、最近ではほとんどメインテナンスフリーの太陽光発電による街灯もかなり普及してきています。こういった、クラシックな電力会社依存型の電力供給から脱出する形での電化プロジェクトこそ、CDMにふさわしいと思います。

2008年9月8日月曜日

力を合わせて共存の道を


国際的な経済状況が混迷し、小麦や米などの価格が上がって貧しい国の国民生活をさらに圧迫しています。そのような中、国連はミレニアム目標達成のために先進国はODA増額を、と声明を出していますが、現在の経済的状況ではアメリカ、欧州、日本はいずれも減額を余儀なくされるでしょう。期待はカナダ、豪州、および中国にシフトしていくような気がします。アフリカでは近年中国の存在が大変大きくなっていることをご存知でしょうか?中国は特にランドマークとなるような大型インフラの建設などを通じて非常に目立つ協力を行ってきました。その代表的なものが西アフリカでは各国にある「フレンドシップスタジアム(Stade Amtie)」です。セネガルのStade Amitieは数年前にLeopold Sedar Senghorと初代大統領の名前にすげ替えられましたが、これは当時セネガルが台湾との外交関係を強めていたからじゃないかと思います。しかし、これはまぎれもなく、中国が建てたものです。その他にもベナンの大統領府の新しい建物を建てたのも中国です。また、台湾は極めて多額の現金で、アフリカの国々との関係を深めようとしています。このような、政治的かつ外交的なものを除いても、インフラ建設などの事業を中国が落札することも多いようです。このような中国の進出は当然ながら中国人の流入を増やし、チャイナタウンが形成されていくことを意味します。そうなってくると、民間のレベルにおいても、中国との関係は強まっていくのです。
話を戻しますが、福田政権もわずか1年という短期に終わり、この先の政局も不透明感漂う日本。わずか半年ほど前に開催されたTICADでの約束も下手すると反古にされそうだし、そこまでいかなくても新政権からは「旧政権から引き継いだ負の遺産」みたく煙たく思われるんじゃないでしょうか。国内問題山積み、逼迫する経済というコンテクストの中で、アフリカへの日本政府の協力が増えるという見通しはさらに薄くなります。(新政権が異例の外交的先見性を持って、これと逆の政治的判断をすることもあるかもしれませんが・・・)
そんな中、限られた資金を有効に利用すること、つまり援助効率を上げるということが必要とされてくると思います。もちろん、これまでも援助の透明性を増す、というのと同時に援助の効率を上げるという努力はされてきました。しかし、これだけ援助額そのものが減ってしまうと、効率が高まったのかどうかすらわからない気がします。また、二国間援助にはなぜかトレンドがあり、協力プロジェクトの目的や質、あるいは対象が変わっているので、正確に言うと援助効率を比較する術はないのです。また、個人的にはこの投入量と効果というのはクローズドなプロジェクト単体として考えれば一種の物理の法則だと思っているので、投入量を減らして効果を高めるというのはあくまでも「錬金術」的なものだと考えています。これは、商売と同じなのです。投資を増やさないと利益は出てこない。小さな投資で大きく儲けるという話は夢物語にすぎません。
しかしながら、この「錬金術」は実際に存在します。しかし、まずプロジェクトの行為主体がクローズドであってはならないので、これをオープンにする必要があります。しかし、オープンにするということは他者の意図がプロジェクトに入り込むことを意味し、それができないあるいは望まないのであれば、錬金術はあきらめた方がいいです。つまり、この錬金術とは一言で言って「援助協調」あるいはジョイントプロジェクト、そして仏語で言うところのPopote Commune(共通レシピアント)です。これらはそれぞれ別の形態の事業ですが、同じ考えに基づいたものです。
多国間援助という点で、日本は外務省を通じて行う二国間協力の他に、国連機関に対する供出金という形でかなりの額を援助しています。しかし、国連機関の行うプロジェクトはたとえ日本ファンドを使っていてもあくまでも実施主体は国際機関であり、日本のプロジェクトにはなりません。しかし、日本ファンドを使ったプロジェクトはたいてい現地事務所に連絡があるものなのです。もし、この動きを早めに察知できたなら、二国間援助を同じ部分に持ってくることで援助効率を高めることもでき、日本の顔も見えてくるわけで、双方の利益が合致し、面白いものができると思います。
また、先日書いたニジェールのドラマFADAの制作に見るようなCFIとスイス協力庁、Planの協力なども面白いと思いますし、効果としてはとても大きい。
このように、援助協調およびジョイントプロジェクトは面白いものができるし効果も大きいので考えた方がいいと思いますが、共通レシピアントは言ってみれば多国間援助を各国にまた作り出すという考えなので、不透明さを進行させることになりかねないと思います。
国際的に見て、余裕のある国も機関も少ないこのご時世です。この機会に、協力のシステムをさらにオープンにすることで、力を合わせて共存する道を模索することが求められている気がします。

2008年9月5日金曜日

FADA(ニジェールのドラマ)


TV5で毎日やっているこのドラマ(Feuilletonと言います。)、てっきりまたブルキナのかな?と思い込んでいるのですが、クレジットにおなじみのOuedragoが出てこないのでアレ?っと思っていたら、なんとニジェールで制作されたドラマでした。
こういう連続ドラマはアフリカでは人気があります。特に中南米で制作されたTelenovelaと言われるものは人気が沸騰して時に社会現象にまでになります。今まで一番すごかったのはMarimarというドラマ(Thaliaが主演)で、この時は放映時間になるとダカールの街が完全にストップし、衝撃的なシーンではあちこちで叫び声が聞こえるという熱狂ぶり。ダカールの街にはバナバナと呼ばれる行商人が信号待ちをしている車の横にいろんな商品を持って売りにきます。で中には写真の額なんかもあって、これにはSerigne Touba(トゥーバのマラブー)の写真とかが入っているものなのですが、あの頃はThaliaの写真が入った額がたくさんありました。
最近では2年ほど前に放映されたBarbara Mori(日系人の父を持つウルグアイ女優)の主演したRubiがあります。これは中南米でブレークしたあと、アメリカのラティーノコミュニティで人気となり、アフリカでブレーク、最終的にはフランスでもM6で放映されました。その後はUgly Bettyがあります。これは、オリジナルはコロンビアで制作されたものですが、以前のTelenovelaと違って各国でいろんなバージョンが作られています。フランスではお隣のドイツで制作されたDestin de Lisaが人気となりました。
さて、話が脱線しましたがブルキナではFespacoというアフリカ最大の映画祭が開催されることもあり、映像文化という意味では最も進んだ国です。テレビドラマとしてはTV5で放映されていたBobo Dioufというコメディが大変な人気でした。この人気に乗じた各国でのコメディ制作が行われ、コートジボワールのMa Familleなどが人気を博しました。セネガルでは制作されるときにウォロフ語での制作となるため、ローカルな人気はあるものの、他国で放映などはされませんでした。
さて、このFADAですが、ニジェールの東の都市、ザンデールを舞台にしたかなりシリアスな青春群像ドラマのようです。制作にはCFI (Canal France International) が協力し、映像としても高品位なものになっています。登場人物が少々多めで、中には役者としてちょっと大根なのではないか、セリフが棒読み(特に女優がひどい)とかもありますが、ガマンできるレベルです。シナリオはなかなか凝っていて、アフリカの現在の若者が抱える問題などをえぐり出しており、野心的です。こういうドラマが、一国だけでなくTV5のようなマルチナショナルなTV局の電波に乗って全世界に放映されている、というのはとてもいいことだと思います。(残念ながらTV5は日本では見られないようですが、サイトからいくつか見られるようです。)また、スイスの協力庁およびCare InternationalというNGOが協力しています。これは面白い国際協力だと言えるでしょう。若者の問題を扱うことで教育や保健などの重点分野にも影響があり、TV5の電波に乗ることで裨益人口は一国に限らず仏語圏全体に広がりを見せます。しかも先進国でも見ることができ、テロップに協力機関の名前が出ますから宣伝効果も大きくなります。こういった賢い国際協力の1つの結実だと思います。
欲を言えば、せっかくこれだけきっちり作っているのだからWebでも宣伝するべきだと思います。

セネガルの今年の雨期は


ものすごく雨が多いです。
こんなに雨が降るのははっきり言って見たことない・・・と思っていたら、なんと降雨量としてはこの35年で一番多いそうです。当然、いろんなところに影響が出ます。私の住んでいるLiberte地区は言ってみれば丘の上にあります。一番高いのは隣のSacre Coeur地区だと思います。だから雨が降ってもすぐ流れてしまうので、水がたまったりしないのですが、ダカールにはいくつか水のたまりやすい地区があります。例えばコロバンヌ、グルタペ、ファスあたりで、ここは低地になっているので雨が降ると水没してしまいます。でも、これらはまだマシな方で、ダカールをでたところにあるチャロイなどはもっとひどいことになります。セネガルはそれほど雨が降らないので、雨が降るような作りになってないんです。雨水用の溝などほとんどありません。コトヌとかにはちゃんと舗装道には溝がついています。ということで、ダカールで雨が降ると道が川になってしまうのです。それはいろんなところから砂を運んでしまい、水と砂の混じったドロドロになっていき、とてつもなく汚くなります。また、車の運転マナーも悪いので水たまりにスピードをゆるめずに突っ込んでくるので、注意が必要です。
コトヌから帰ってきてから10日あまりですが雨が降らなかったのは2日あるかという感じです。おかげで涼しく過ごしやすいですが、蚊も多くなっていいことばかりではありません。
さらに、2日前の夜中に突風を伴う雨があって、近くのスタジアムの屋根に使われてる鉄板が外れて何枚かが近所の家に落ち、電線や電話線を切断してしまいました。そのせいで、2日間インターネットも不通に・・・
家も店もいろんなところで雨漏りがしています。
今日はジムに行こうと思ったら雨が降ってきて、仕方がないので少し待ち、小ぶりになったのを見計らって出かけたら、どんどん本降りになってしまい、帰るとき川と化した道をさけて上流へ上流へと大回りをしながらびしょぬれになって帰りました。

2008年9月3日水曜日

Chumbyが欲しい!


Chumbyとは、まるでiPod Touchにぬいぐるみをかぶせたような形のガジェットなのですが、中には埋め込みLinuxが動いていて、サイトからウィジェットをダウンロードすることでいろんな機能を持たせることができます。このウィジェット、もうすでに500くらいはあるんじゃないかと思いますが・・・

今までは米国のみの販売でしたが、10月に日本でも売り出されるようです。(IT Mediaの記事)
それにしても、日本での値段設定が異常に高いですね。本家で買うと179ドルなのに日本では29400円。これはマージンとりすぎでしょう。

2008年9月2日火曜日

アップルの将来

ArsTechnicaに面白い意見記事があったので私も考えてみることにします。
タイトルは、アップルはいかにしてOSのマーケットシェアを伸ばしたか?となっていますが、中を読むと「いかに」ではなく、「マーケットシェアを伸ばしたアップルの将来像」を占うようなものになっています。
アップルのOSマーケットシェアはアップルの黄金時代に比べればまだまだ低いのですが、それでも盛り返しているそうです。これはコンピュータのマーケットそのものが往時と比べて格段に大きくなっているから、出荷台数としては往時をはるかにしのいでもシェアという数字は伸びていないということでしょう。
もちろん、アップルのシェアを伸ばしている原因、それはまず「ブランド戦略」でしょう。特にアップルの位置づけというのはオートクチュール的位置づけではなく、上級カジュアルという位置づけだと思います。アップルに続いて同じようなブランド戦略をとった企業はいくつもあります。たとえばスターバックスコーヒー、アバクロンビー&フィッチなどがそうです。
次にハードとソフトを一体化して製品として売るという一種のクローズドな技術的生態系をがっちりと構築すること。
最後に、製造から小売りまでのセミオープンな流通システム、コンテンツの流通システムを作り上げること。
この3つを独立したものでなく密接にリンクさせたことがアップルのOSシェア拡大の鍵だと思います。

記事の全体的論調は、ここにきて岐路に立たされるアップル・・・といった感じですが、確かにそういう見方をすることができるでしょう。ブランド戦略について、例えばスターバックスコーヒーはシェアを伸ばすと同時にかなり大胆な拡大路線を選択し、一般化の道を選んだわけです。しかし、それはそれぞれの店の質の低下、顧客層の質の低下を招き、ブランドイメージは損なわれて、今は大規模な縮小路線をたどることを余儀なくされています。アップルも基本的に拡大基調なのはいいと思いますが、アップル製品のブランドイメージを損なうような一般化は避けるんじゃないでしょうか。シェアを伸ばすと言っても、せいぜい15〜20%が上限(現在は8%ということです。)という気がします。それを考えるとシェア獲得のために互換機だとかOSのライセンスという路線はない気がします。むしろ、iPodやiPhoneといった埋め込みOSという分野でシェアを伸ばす方を選択するはずです。
アップルはソウトウエアカンパニーとしての将来を模索するべき、というリシンガー氏の意見には少々首を傾げます。アップルが目指しているのはむしろソフトウエアを走らせるプラットフォームをリードする企業だと思うからです。もちろん、ソフトウエアに対するアップルの姿勢は一貫しているとは思いません。Macにおいては自社でiLifeやiWorkという非常に低価格なソフトウエアスイートを開発してさらにバンドルしているのにiPhoneではApps Storeでサードパーティによる開発を奨励しています。
アップルとオープンソースとの関係はかなり微妙なものです。多分、アップルはソフトウエアのコアというものをJPEGのような「一種の規格」として捉えているのかもしれません。だからOSXはオープンソースなFreeBSDをコアとして成り立ち、その規格に沿った上で独自のOSとして仕上げられているし、SafariのコアであるWebKitをオープンな開発キットとして提供してもいるわけです。
これは、ソフトウエアを1個の切れ目のない独立した物体(Windowsのような)として考える人には奇異なものに映るかもしれません。しかし、OSXやLinuxなどのソフトウエアというのは、レゴのようなものになっていて共通のライブラリや基本サービスを使います。だからソフトウエアの総体として「これはオープンソース」ということができないのです。
アップルがさんざん文句を言われながらiPhoneでJavaとかFlashを使わせない理由、それはJavaやFlashがソフトウエアでなくプラットフォームだからなのではないでしょうか?